記憶の中で…


「うん。一つ一つ整理して考えよう。俺はかくれんぼをしてて、トラックに隠れた。

何も知らない運転手がそのまま出発して、怖くなった俺は、あの交差点で、信号で止まった車から降りようとして身を乗り出した時、動き出した車の勢いで道路に落ちた。でそのまま意識を失ったんだ。

その次に分かってるのは、今の両親に連れられてあの病院に行ったという事。そこで、『君の名前は一ノ瀬夏樹だよ。』と教えられた。

それで今に至る…という訳か。」

どこで両親との接点があったのかわからない。もしかして、倒れてる俺を見つけて車に乗せた…?そして、そのまま病院に連れて行ったというのか。見知らぬ俺を自分の子どものように…?…俺は養子か?

ああ、駄目だ。混乱してきた。

「まだわらない事が多すぎる。一度、戸籍も確かめないとな。」




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