記憶の中で…
「そうじゃなくて、飲ませて。」
「は?」
「口移し。」
みるみる真っ赤になって言い返してくる。
「ば…ば…ばかー!何て事言うのよ。するわけないでしょ!?」
「ちぇー。ケチ。」
「あっそ。じゃあ、コーヒー返して。」
「あー、何すんだよ。くれたんだろ。」
「あげるのやめたの。べーだ。」
「こら、寄越せ。」
「やーだ。」
「よーし、こうなったら、くすぐり攻撃だ。」
ユキの脇腹をくすぐってやった。
「キャーハハハ…く…くすぐるのなしー。いやあははは。やめてえ。」
逃げるユキを捕まえて、芝生に押し倒した。
真面目な顔をしてユキを見つめると、ユキも笑うのを止め真剣な眼差しで俺を見た。