記憶の中で…


食事を終えるとナツキがお母さんに言った。

「おばさん、夕べは遅くにお邪魔してすみませんでした。父に…本当の事聞きました。おばさんにも聞いて欲しいんです。今日、ユキに学校を休んでもらってもいいですか?」

お母さんは少し考えてから、許してくれた。それから学校にもナツキと二人休む事を伝えて、ユイがブツブツ文句を言いながら学校へ向かうと、三人でリビングに集まった。

ナツキが話始める前にお母さんが言った。

「先ず、ナツキ君。夕べ、ここに来たの、12時頃よね?あなたのお父さんはここに来た事知ってるの?」

「…いいえ。」

「じゃあ、先に連絡して。それから心配かけた事謝んなさい。」

ナツキは何か言いたげだったけど、お母さんの厳しい目がそれを許さなかった。

「それともう一つ。人の家を訪ねるにしては遅すぎよ。しかもうちは女ばかりなんだから、その辺もう少しわきまえなさい。」

「…はい。」




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