記憶の中で…
ナツキはこの写真の夏樹を知ってるのだろうか。
『そいつ…今どうしてんの?』
普通なら、そんな事聞かないよね?
放課後、思い切って彼にパスケースの写真を見せながら聞いてみた。
「ねえ、この写真の幼なじみの事…知りたい?」
「…いや、いいよ。」
え?さっきはあんなに怖い顔で聞いて来たくせに…。
「そ、そう。」
私の勘違いか。そうだよね。会った事もない子の話なんか、普通聞きたいなんて思わないよね。
「お前…泣くだろ?」
「……。」
「そんなに辛いんなら…いいよ。」
「うん、辛い。でも誰かに聞いて欲しいと思ったのも事実なんだ。だから…聞いてくれる?」
何となく。
本当に何でこんな事思ったんだろう。
彼なら聞いてくれそうな…そんな気がした。