記憶の中で…
そして今、俺はユキの家で世話になってる。
あの時、高島の家に戻って学校も変わるか、一人暮らしをしながら今の学校に通うか悩んだ。でもユキのお母さんが、「うちに住んだらどう?女ばっかりだし、ナツキ君がいてくれたら心強いんだけど。」と申し出てくれて、その言葉に甘える事にした。
ユキのお父さんも一ヶ月に一度は帰って来て、一緒に出掛けようと連れ出してくれる。男二人で出掛けるのを見て、ユキやその妹のユイちゃんはブツブツ言ってるけれど…。
高島の家にも、この間ユキと一緒に行った。そこで初めて兄弟喧嘩をした。
「6歳も年下の弟相手に何やってんの?」
なんてユキに言われたけど、弟のユウキはとんでもない事言ったんだ。
「なあなあ、あの人って兄ちゃんの恋人?さっきさあ、凄いの見ちゃった。」
「凄いの?」
「うん。聞きたい?」
「何だよ。」