記憶の中で…
「あのね、キスしてんの見ちゃった。すっごい濃厚なの。誰としてたと思う?ここにいる兄ちゃ…。」
最後まで聞かないうちに殴ってやった。
こいつ油断も隙もねえ。あんなとこ誰もいねえし、見られる訳ねえと思ってたのに、見てやがった。
俺に殴られて大袈裟に母さんに告げ口した。
「本当の事しか言ってないのに、兄ちゃんが殴ったあ!」
「本当の事?」
「うん。ユキちゃんと兄ちゃんがキ…。」
「うわー!!何でもない。何でもありません!」
「ナツキ。煩いわよ。いくつになって騒いでるのよ、もう。」
もう絶対ユキと一緒に来ない…と誓った。