記憶の中で…
行方不明
「この写真の男の子は高島夏樹君。
私たち、幼稚園まで同じ長屋に住んでたんだ。
近所には年の近い子が何人かいて、いつも一緒に遊んでた。
一番仲が良かったのが夏樹だった。」
「もういいかーい?」
「まあだだよー。」
近所の子たちと公園でかくれんぼをしていた。
「なつきくん、どこかくれるの?」
「うーん、どこにしよっか…?」
キョロキョロと隠れる場所を探してると、
「あ、あそこにする!」
と言って、公園の脇に止まっている軽トラックめがけて走り出した。
「こんなとこ危ないよ。」
「大丈夫だって。さっきからずっと止まったままだもん。運転手さんもいないし。ユキはちがうとこかくれろよ。」
そう言ってトラックの荷台に身を隠した。