記憶の中で…
と、そこへ森ちゃんが帰って来た。
「あ、先生。質問なんですけど…。」
「おー、ちょっと待ってくれな。どうぞこちらへ。」
森ちゃんが私の後ろに向かって声をかけた。
振り向くと、そこには母親と思われる女の人と、その後には背の高い男の子がいた。
二人がソファーに座ると森ちゃんは早速話を始めた。
転校の手続きに来たのか…。長くなりそうだな。仕方ない。どうせ暇だししばらく待ってよっと。
廊下で待つこと30分。
もう帰ろうか…。
と思ったところで話が終わったみたいだった。
「それでは失礼致します。」
女の人は森ちゃんに一礼すると、私にも軽く会釈して帰って行った。
その後ろ姿を見送ると、「先生、転校生?」と聞いた。