記憶の中で…


月曜日、ナツキが登校して来たのは昼休みだった。

「おはよ、ナツキ。」

「ん、おはよ…てもう昼じゃんか。」

「うん。でも今日初めて会ったから。」

「ふーん。変な奴。」

「この間はありがとうね。話聞いてもらってスッキリしたよ。」

「いや、どうってことねえよ。それよりお前はもう大丈夫なのかよ?」

「うん。私のせいじゃないって言ってくれて、すごくホッとした。」

ニコッと微笑むとナツキも嬉しそうに微笑んで、

「そっか。よかった。あんまり溜め込むなよな。いつでも聞いてやるから。」

と頭をポンポンとしてくれた。

ナツキの手の温もりが伝わってきて、温かいものが心に流れ込んでくるようだった。




< 23 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop