記憶の中で…
月曜日、ナツキが登校して来たのは昼休みだった。
「おはよ、ナツキ。」
「ん、おはよ…てもう昼じゃんか。」
「うん。でも今日初めて会ったから。」
「ふーん。変な奴。」
「この間はありがとうね。話聞いてもらってスッキリしたよ。」
「いや、どうってことねえよ。それよりお前はもう大丈夫なのかよ?」
「うん。私のせいじゃないって言ってくれて、すごくホッとした。」
ニコッと微笑むとナツキも嬉しそうに微笑んで、
「そっか。よかった。あんまり溜め込むなよな。いつでも聞いてやるから。」
と頭をポンポンとしてくれた。
ナツキの手の温もりが伝わってきて、温かいものが心に流れ込んでくるようだった。