記憶の中で…
「ドイツの学校ではどんなだったの?」
「んー、よく似た感じだけど、ハロウィンに合わせて仮装とか凄かったな。それと、夕方皆一度家に帰って、ドレスアップしてまた集まるんだ。ホールでダンスするためにね。だからフェスティバルの前には、パートナーを見つけるのに大変だった。」
「へー。あっちは派手なんだ。でも楽しそう。」
「桂木さん、一ノ瀬君。二人で話さないで意見があれば言って下さい。」
あらー、委員長に注意されちゃった。
「委員長。」
ナツキが声をあげた。
「ハロウィンも近いことだし、仮装しながら何かやるってのはどう?」
ナツキの一言でハロウィンカフェというのをやる事になった。
私はメニューを考える方に回りたかったのに、ナツキに強引に仮装を考える係りに回された。
ナツキには仕返しをしてやろう。ふん!
文化祭が近づくにつれ日々忙しくなり、下校時刻ギリギリまで準備に追われる事になった。
それでもナツキと一緒にいる時間は楽しくて、今までよりずっとナツキを近くに感じられていたし、ナツキもこれを機にクラスメートとどんどん関わりが増えていった。