記憶の中で…


文化祭当日はナツキと二人で宣伝をしに、校内を回ることになった。

ナツキは口から血を流したドラキュラで、私は頭に斧が突き刺さって顔に血が流れてる、恐ろしい格好だった。

まるでお化け屋敷から出てきたお化けじゃん。

「こんなんでお客さん来てくれるかなあ?」

「来ても来なくても俺たち宣伝するだけだから、後は知らね。」

「アハハ…ナツキらしいや。」




文化祭を終え、後夜祭が始まった。

グラウンドにはステージが設けられ、有志のバンドグループが演奏している。

生徒はその演奏にのってリズムに合わせて手を叩いてる。

私はというとナツキと二人、皆からは離れたグラウンドの一番端、防音のために等間隔に植えられた木のところから、その様子を見ていた。




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