記憶の中で…
「ナツキ、お疲れ様。」
「おー、ユキもお疲れ。」
「ナツキってば大活躍だったね。仮装も好評だったし、皆の中心になって色々アドバイスしてくれて、皆ナツキに一目置いてたじゃん。」
「そうか?ユキだって仮装の準備、文句一つ言わず頑張ってたな。」
「そ…そう?」
誉められるのって、何かくすぐったいや。
「ナツキってさ、人を惹き付けるような何かを持ってるよね。友だち、たくさんできたんじゃない?」
「そうだな。…でも…。」
「でも?」
「俺が一番惹き付けたいのは…一人だけだ。」
「え?友だちたくさんいらないの?」
グラウンドでは賑やかなノリのいい曲に合わせて皆踊り出してる。
ナツキが真剣な顔で私を見つめた。
その瞳が夏樹を思い出させる。でも今目の前にいるのはナツキで、その真っ直ぐな眼差しから目が離せなくなった。