記憶の中で…


「すっ惚けんのもいい加減にしろ!」

頬っぺたをプニーッと引っ張られた。

「……。」

痛いんですが…。

顔が赤くなっていくのが分かる。でもナツキも赤い?暗くてよく分からないけど。

ナツキは私の両肩を掴んで引き寄せ、耳元で囁いた。

「俺の気持ちはユキに届いてる?」

ナツキの顔を見て、首を横に振った。

「…何で?俺の事…嫌い?」

もう一度大きく首を振った。

「だって…。ナツキの口からちゃんと聞きたい。」

「…言えるか。そんなの。」

その一言にカチンときて、ナツキの両頬を引っ張りながら言ってやった。



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