記憶の中で…


第一走者がスタートラインに立つ。

よーい、パーン!

一斉に走り出す。

皆速い人たちばっかりだ。

僅差で一位二位を争ってるのは私たちのチーム。

カーブを曲がって、次の走者へとバトンを渡す。

頑張れ!頑張れ!

後少しの差が縮まらない。

そのまま第三走者まで順位は変わらず、私の出番になった。

カーブを曲がった所から「こっちこっち!」と手を振って合図した。

二位でバトンを受け取り、思いっきり土を蹴った。

後少し…後少し…。

でもすぐ後ろには三位のチームがいて、足が当たった。

転ける!

そう思った瞬間、ナツキが腕を支えてくれた。

すぐにバトンを受け取ると「任せとけ!」と言うように、真っ直ぐ前を見て走り出した。

ナツキ…速い!

三位との差が少し開いた。

一位との差が縮まり、並んだ!

そのままゴールの合図がパンパンと鳴った。




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