記憶の中で…
「ナツキってば何で寝転んでるのよ。」
「く~~。オメーが頭突きしたんだろーが!!」
…私の頭と、ナツキの顎がごっつんこ?通りで痛い筈だ。
「だ…大丈夫?」
「大丈夫じゃない。顎…壊れた。」
「え?え…やだ、どうしよう。救急車呼んだ方がいい?」
オロオロする私を見て、「アホ。」と言葉が飛ぶ。
「そんなんで壊れる訳ねえだろが。冗談だよ。」
「冗談?」
「よく考えろよ。ぶつかったのはお前の頭だろ?こっちが壊れちゃ、お前もそんなんで済むかよ。」
あ…そか。
「たんこぶできてねーか?見せてみろよ。」
私たち二人のやり取りをずっと見てたナツキのお父さん。
「ワハハハ…まるで漫才だな。」
豪快に笑われた。