記憶の中で…
次の時間も…。
「ねえ。」
ペン先で背中をなぞるように、つーとされて、
「ひゃああ。」
と声が出てしまった。
「煩いぞ、桂木。」
「す…すみません…。」
きっ!と彼を睨んでもどこ吹く風の様子。
昼休みに彼に文句を言おうと後ろを向いた。
「ちょっと!どういうつもりよ。いっつもちょっかい出しちゃって。先生に注意されんの私なんだから止めてよね!!」
「ふーん。俺も注意されればいいんだ。」
「は?もう、そうじゃなくて。授業に集中できないの!」
「いいじゃん、授業なんて。つまんねえし。こんなに天気良いのに外で体動かす方が、余っ程為になる。来いよ。」
彼は私の腕を掴むと教室の外へ連れ出した。
「どこ行くのよ?」