記憶の中で…

いたずら



目が覚めると窓の外は薄明るかった。

隣ではまだナツキが寝てる。

そっと布団から出るとカーテンを開けた。

あ…。

しとしとと降り続く雨。

昨日からの雨がまだ降ってるのか…。雨降りって何だか落ち着く。学校に行く日だったら憂鬱になるけど、休みの日はゆっくりできるから好き。

しばらく外を眺めていたけど、ゆっくりとナツキに目を移した。

ベッド脇に座り布団に肘をついて、こっち向かないかな、なんて思っていた。

「う…ん。…ユ…キ…。」

え…。起きたのかな。

声をかけようとしたけど、寝返りを打ってこちらを向いたナツキを見て、

なんだ、寝言か。私の名前を呼ぶなんて一体どんな夢なんだろ。

顔を覗き込んだ。

ふーん。男のくせに女みたいな顔。

そうだ。水性ペンあるかな。

机の上のペン立てを見た。

あった。ふっふっふっ悪戯しちゃえ。




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