記憶の中で…


ナツキの優しい眼差しが目を閉じてても感じられる。

大きくて、暖かい手が私の髪をすく。頬を撫で、唇を指でなぞった。

ゆっくりと目を開けると、ナツキの濡れた髪が顔にかかって、何とも言えない色気が漂う。

ナツキの頬に手を伸ばした。ゆっくりとナツキは近づいて、もう一度口付けた。

「ユキ、『え』て言ってみて。」

「え?」

その隙をついて舌が入る。私の口内をナツキの舌がまさぐる。息ができない程苦しくて、熱い。ナツキは私の舌を絡め取った。

いつの間にかナツキの右手がスエットの中に入って来ていた。

「…お前、下着は?」

「昨日、濡れたから…。」

「…見てもいい?」

う…やだ。恥ずかしい。

私の顔を見て、

「…嫌…なんだ。」

コクンと頷くと、

「駄目。これは仕返しだから。」

そう言うが早いか、一気にスエットを捲り上げられた。

恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。

嫌と言ってもするなら何で「いい?」なんて言うのよ。

目を閉じて顔を背けた。

そのまま脱がされて両手で胸を覆った。




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