記憶の中で…
「普段ゆっくり話もしてないんでしょう。休みの日ぐらいお母さんに時間あげて。」
「ユキが一緒なんだし、今日はいいよ。明日、ゆっくり顔見てくる。」
「…いいの?」
「うん。いい。」
「うふ。嬉しい。ずっとナツキと一緒にいれる。」
腕にしがみついた。
「…無理すんな。」
「え?」
「病院行こだとか言うなよ。俺と一緒にいたいくせに。」
「うん、そうだけど。でも会った方がいいと思ったのも本当だし、こんな言い方しちゃいけないんだろうけど、…明日はどうなるかわかんないもん。」
「わかったから。明日はちゃんと行く。もうこの話は終わり!」
頭をポンポンとされて、歩道橋を渡っている時だった。
階段を降りようとして、前からかけ上がって来た人とすれ違い様にぶつかった。