記憶の中で…
「夏樹。」
「え?俺?」
「ううん。居なくなった夏樹。夏樹が居なくなった時、ショックで一時声が出なくなったの。悲しくて何年経っても見つからない夏樹を恨んだ。皆こんなに心配してるのに…て。」
「そ…か。ごめん。」
「何でナツキが謝るの?」
「え…あ、何でだろ。でも言わなきゃいけないような気がして…。」
「クス…変なナツキ。しばらく寝たら?ここにいるから。」
「うん。そうする。…手、貸して。」
「?」
手を差し出すとギュッと握って、目の辺りまで布団を被ると、「ずっとこうしてて。」と言って目を閉じた。
ふふ…まるで子どもみたい。
そういえば小さい頃、夏樹とこうして手を繋いだまま昼寝してる写真があったな。あれは…夏だっけ?