記憶の中で…


その途端、後頭部を押さえられてキスされた。

「ち…ちょ…んん…。」

いきなりの深いキス。抵抗もできない程、強く押さえられ、身動きがとれない。

「いい加減にしないか、ナツキ。」

その声にハッとして、ナツキは手を離した。

「ここは病院だぞ。そういう事は退院してからでもできるだろう。」

「あんたに俺の気持ちなんか分かる筈ない。」

え?

あまりの冷めた声にナツキのお父さんも戸惑ってる。

「どうしたの?ナツキ。」

「あんたは俺の父親だけど父親じゃない。誰も信用なんかするもんか。帰れ!俺が信用してるのはユキだけだ!!」

「ナツキ!落ち着いて!!何を言ってるの?夕べ三人で楽しく話しながら食事したじゃない。」




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