空っぽなマッチ箱。
主人は、『早紀』を
抱きしめていた。


必然的に、私も『早紀』の


手の中に収まる形になった。


私は人間の事はあまり
深く知らないけれど。


きっとこれは、うまく言ったんだろう。


マッチ箱の私でも、それくらい


分かる。
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