ただ一人の魔法使い



夜「……それじゃ、僕は行くから。」



スタスタと歩きだす夜斗君



『…あっ…もう一つ。』



これは質問じゃないけど…



『…夜斗君は、ユラン君やさっきの部屋に居た子達を、人形とか、失敗作って言ったよね。』



夜「…………」



夜斗君は、こちらを向きもしない



けど私は続ける



『……生まれてきた生き物に、人形とか失敗作なんて失礼だと思う…』


人形…とか、失敗作…って



何か、私達と同じ生き物なのに、作品扱い



…そんなの、おかしいよね?



夜「……それだけ?」



『…うん。』



夜「………そう。」



一言返事をして、夜斗君は何だかセキュリティー万全な扉の前に、手を翳た



扉は、ピーッと音をだしながら開いた



その中に夜斗君は入ると、扉は直ぐに閉まってしまった






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