ただ一人の魔法使い



ユ「や…ッぱり…僕が…お姉ちゃ…を…逃がしてあげて…れば…ッ」



ユラン君の手が、私の服を握った



『……大丈夫。』



ユ「だ…ぃじょうぶじゃないよッ!おッ姉ちゃん…死んじゃうッ…」



『私は大丈夫。全然平気だよ?』



ユ「……死んッじゃう…かも…しれないッのに……?…ッ」



『……うん、私は大丈夫。』



…死んじゃうなんて、本当は大丈夫じゃない



死ぬのはヤダ



生きたい



けど



…ユラン君だって、



この研究所に居るパートナーだって



同じ様に、生きたいよ



『…別に、命が大切じゃ無いって訳じゃないよ?ただ……まだ、諦めたくないだけ。』



まだ諦めるには、速いよね





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