ただ一人の魔法使い
慌てて毛布から抜け出す私とユラン君
ズガアァァンッ…
ドゴオォォンッ…
一向に鳴り止まない破壊音
『そ…外で……一体何が……』
ユ「……何か……来る……」
ユラン君が、真っ正面の壁を見つめて呟いた
『何かって……何が――――――』
ドガアアァァァアンッッ!!!
『わっ………!』
ユラン君の見つめていた壁が、目の前で突然破壊された
埃煙が立ち、パラパラッと細かい瓦礫が落ちる
ユ「…………誰…?」
?「…俺は…新川のクラスメイトだ。」
『……ぁ………』
懐かしい声
煙が段々と落ち着いて姿が見え始める
うっすらと見える
赤い髪
?「……久しぶりだな!新川!」
とてもとても
会いたかった
『…くう…海……君……っ!!!』