ただ一人の魔法使い
とりあえず、自己紹介…かな。
始めましての人に何を言おうか。
そう考えると、自己紹介しか浮かばなかった。
『…あの、私は…』
「当てたげる。
…今日転校してきた、新川 魅衣」
私が言おうとした直前、一番前の席に座っていた、紫の髪と目をした女の子が答えた。
まだ教えてもいない筈の私の名前を先に言われて、目を見らいた。
『……え…』
何でわかったの…?
私の驚いた様子を見た後、次にフーちゃんを見ながら続けて言った。
「…あと、パートナーの方は、フーリ・マチラ」
〈………〉
フーちゃんの事まで当たってる…。
「私の名前は、円 七里 (つぶら なな)。よろしく」
『う…うん…』
「あっ、円だけズルいぞ!」
次に話し掛けてきたのは、赤い髪と目をした男の子。
「俺は、久木 空海(ひさき くうかい)な!よろしく!」
『よ…よろしくね』
元気な子だな…。
歯を出してニカリと笑う、その男の子。