ただ一人の魔法使い
[…お目覚めかな?魔法特殊能力者]
前の部屋と同じ様な壁上の方に、ガラス張りの部分
そこから、こちらを見ながら不気味に笑う
厄名の姿
[時間だ、部屋のロックを解除する。出ろ]
『…わかった。』
ユ「…………」
ガチャンッ…と音がしたかと思うと、目の前にある金属扉が開かれた
その奥は、真っ暗
その暗闇が…ふと、不安が頭に過ぎる
けど
『……行かなくちゃ…』
私は、負けない
そう心の中で何度も呟きながら、暗闇の中に歩き出す
ユ「…………
お姉ちゃんは
死なせない…
絶対……」
ユラン君の
小さな小さな
決意の言葉を
聞かないまま……