ただ一人の魔法使い
僕が、7歳の時だった
「ヨナ、一緒にお散歩しよ。」
その日も、ヨナと遊ぼうと話し掛けた
けど
〈…………〉
「……ヨナ?」
ヨナからの、返事がなかった
ヨナは、何かが抜けた様な、そんな表情で遠くを見ていた
〈………〉
「……ヨナ。」
〈…!…ごめん…もう一回…〉
「…一緒にお散歩しよ。」
〈うん…〉
その後、直ぐに何時もヨナに戻ったから、気にしなかった
…けど、次の日から、ヨナがそんな状態になる事が多くなった
ヨナに聞けば、
〈…風邪〉
そう答えていた
だから、僕もヨナが風邪なんだと思って疑わなかった