ただ一人の魔法使い
「……ヨナ?どうしたの?」
〈氷結……氷結……〉
ヨナは、譫言(ウワゴト)の様に呟きながら、どんどん回りの花を凍らせていく
そして、それは…
ピキッ…ピキッキッ…
花だけでなく、土や芝生…回りの木々までもを巻き込んでいった
「ヨ…ナ…もう…練習…終わりだ…よ……」
〈氷結…氷結…氷結氷結…〉
「も…ぅ…っ…止…めて……よ……っ…!!!」
祖父が気づき、駆け付けた頃には
手入れの行き届いていた庭の面影なんて見る影は無く
あるのは
'吹雪'
それだけだった
…その日、祖父から教えてもらった
ヨナはこの日
'欠陥品'に、なってしまったという事を…