ただ一人の魔法使い
「…ヨナ……」
ヨナが欠陥品になってから
毎日、ヨナの何処に異常があるのか、検査が始まった
だけど…ヨナの何処に異常があるのかが、解らない
祖父がどれだけ調べても、どんなに賢い科学者がヨナを調べても
原因不明
「……おじいちゃん……ヨナの病気は…治るの?」
「…ヨナの異常は原因不明だ。現代の科学では、まだ…」
「じゃあ…ヨナは、死んじゃうの?」
「死にはしない、仮死状態になるだけだ。…永遠にだが…な…」
「…………」
そんなの
死んだのと同じだ…
「…魔法特殊能力さえ、あれば…」
「…魔法…特殊能力…」
祖父が、ふと呟いた言葉
その言葉だけが
僕の唯一の光になってしまった