ただ一人の魔法使い



透視能力を備えている七里ちゃんとオレン君には、私の目論見が何と無く解ったらしい



…けど、私自身が今から使う魔法の事を完全に理解していない



私が知っているのは、今から使う魔法の効果が
『こんな感じかな?』っていう頭の中のごちゃごちゃなイメージと、魔法の使い方


それに、その魔法の名前だけ



だから、七里ちゃん達も完全には理解してない…筈



〈!魅衣ちゃん!速くしないとっ氷が…〉



フーちゃんの指差す先に

薄く尖った、

硝子の様な氷が、宙に浮いて私の方に向いていた



「「あれって…」」



ラ〈前に行った、駅前のカフェの時にも…〉



ヨ〈ごめん…なさい…あの時は私がした…〉



ぶっきら棒に答えるヨルちゃんだったけど、表情はとても申し訳なさそうだった





< 218 / 267 >

この作品をシェア

pagetop