ただ一人の魔法使い
透視能力を備えている七里ちゃんとオレン君には、私の目論見が何と無く解ったらしい
…けど、私自身が今から使う魔法の事を完全に理解していない
私が知っているのは、今から使う魔法の効果が
『こんな感じかな?』っていう頭の中のごちゃごちゃなイメージと、魔法の使い方
それに、その魔法の名前だけ
だから、七里ちゃん達も完全には理解してない…筈
〈!魅衣ちゃん!速くしないとっ氷が…〉
フーちゃんの指差す先に
薄く尖った、
硝子の様な氷が、宙に浮いて私の方に向いていた
「「あれって…」」
ラ〈前に行った、駅前のカフェの時にも…〉
ヨ〈ごめん…なさい…あの時は私がした…〉
ぶっきら棒に答えるヨルちゃんだったけど、表情はとても申し訳なさそうだった