ただ一人の魔法使い
光の球は私の手を離れ、どんどん高く、高くへと昇っていく
天井スレスレまで昇ってきた時だった
パリイィ――ィンッ!…
『!……っ』
光の球は、弾ける様にして'力を与えるべき場所'へと散っていく
それは、ユラン君の身体の中にも取り込まれるのが見えた
散りながらも輝くそれは、とても綺麗で
流れ星の様だった
『……どうか…』
どうか
皆が助かります様に
これから
幸福で、あります様に
そう願いながら、私の目の前は
真っ黒に、沈んで行った
――――……