天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
田舎に泊まろう!(夏休みだから)
校舎にチャイムが鳴り響く。

放課後。

自由な校風の天神学園だが、今日は一段と開放的な雰囲気が漂っていた。

廊下、階段、校庭、校門。

行き交う生徒達は皆どこか浮ついたような様子で、自然と顔もほころんでいる。

無理もない。

憂鬱だった期末テストも終わり、恐怖の対象とも言える通知表も無事受け取り。

終業式を迎えた彼らには、一大イベントが待っている。

夏休み。

一ヶ月以上もの長期休暇の幕開けである。

浮かれずにいられる筈もなかった。

< 1 / 153 >

この作品をシェア

pagetop