天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
宿泊費が浮くし、海にも山にも遊びにいける。

こんなオイシイ話はない。

「よし、じゃあその方向で手ぇ打つか!」

陽の言葉に面々は頷く。

「楽しそうね、お泊まり旅行」

ニコニコしながら芽々が言う。

「私、夜になったら花火したぁいっ!花火セット買って行くぅ!」

今から興奮気味のきょうこ。

「子供だなぁ、きょうこは」

苦笑いする葉也も満更ではなさそう。

こうして彼ら一行の夏休みのプランは決まった。

平凡な天神学園に通う、平凡な学生達の夏休みのお泊まり旅行。

…だが平凡に見えて、一癖も二癖もある彼らの夏休みが、平穏無事に終わる筈がない。

騒々しい夏休みは、まだ始まってすらいなかった…。

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