天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
夏休み初日。

早朝から駅前に面々が集合し始める。

逸早く到着していたのは宜虎、葉也、陽の三人。

いつもの着流し姿の宜虎はともかく、葉也と陽は当然私服。

学園で見慣れた制服姿と違うのは、何だか新鮮に映るものだ。

「ごめんごめん、お待たせ~」

少し遅れて、きょうこと小夜もやって来た。

活発なきょうこらしいホットパンツ姿、小夜は白のワンピース。

私服にも個性が出るものだ。

「後は芽々だけだな」

宜虎が言う。

「きっと芽々先輩の事だ、オシャレして来ると思うぞ。ファッションセンスよさそうだもんな」

「だよなぁ、セクシーな感じの私服だったら、俺テンション上がるわ~」

葉也と陽が口々に言う。

しかしそんな二人の背後から来たのは。

「お待たせ」

ヨレヨレの白のTシャツにごくフツーのジーンズ姿の芽々。

オシャレもセクシーもあったものではない。

とても普通、すごく普通、めっちゃ普通。

(芽々先輩…)

陽が内心叫ぶ。

(只の普段着だよっっっっっ!)

兄の『皇帝』直伝の内面ツッコミが炸裂した。

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