天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
ともあれ、参加者が揃った。

駅から電車に揺られる事一時間、更にバスに乗り換えて一時間。

天神学園のある街の中心部から、自然豊かな郊外へと向かう。

そしてバスを降りて舗装されていない砂利道を歩いていくと。

『ここがおじいちゃんの家だよ』

「…………」

陽が絶句して、その家の前に立つ。

広い家だと聞いていたから、さぞや高級旅館のような大きな屋敷だろうと思っていたその家は。

「オンボロ道場じゃんっっっ!」

陽が叫ぶ。

「オンボロ道場じゃんっっっ!」

大事な事なので二回言いました。

陽はキッときょうこを睨む。

(くそっ、ハメられた!広い家っていうからリゾート気分味わえると思ってたのに!俺が『洗濯板』って言ったの根に持ってるな?)

「ね?広い家でしょ?道場になら10人くらい楽勝で泊まれるよ?」

悔しがる陽を見ながら、きょうこがニシシと笑った。

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