天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
「あーもう!仕方ないな男衆は!」

意外と頼りにならない二人を引き連れて、きょうこが先頭を歩く。

「えっと…私達どっちから来たっけ?」

鬱蒼と生い茂る山の中。

どちらを向いても同じ景色のように見える。

まさか山奥に入り込んでしまうとは思ってもいなかったのだ。

道を覚えている筈もない。

「どうしよう…これ本格的に遭難しちゃったかも…」

不安そうな表情を覗かせるきょうこ。

「大丈夫だ、心配ない」

葉也が彼女を安心させるように、背負った鞄を下ろして開いて見せた。

「こんな事もあろうかと、非常用食料は十分に準備してきている」

「遭難するの前提かよっ」

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