天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
しばらくへたり込んで途方に暮れていた三人。

しかし。

「そんなに悲観する事はない」

葉也が立ち上がる。

「要するに山の中に入ってしまったんだから、道なりに下っていけばいいんだ。そうすれば自然と山から降りられるし、海の方にも出られる」

「お…」

遭難の元凶の癖に、意外とまともな事を言う。

確かに下っていれば、どんなに道に迷っていても山からは降りられる。

そこまでわかっていながら何故道に迷ったのだろう、このド天然は。

「よし、それじゃあ行こう」

言ったそばから。

「違う葉也!そっち登り道だから!」

陽が慌てて引き止めた。

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