天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
竹を割ったような性格、武道一筋な所、男気のある所。

確かに宜虎と龍太郎は共通点もある。

「ま、宜虎君は丹下君ほどお馬鹿じゃないけどね…って、おっと」

芽々がニヤニヤしながら小夜の顔を見た。

「小夜ちゃんの前で、丹下君の悪口言っちゃあいけなかったかなぁ~?」

「~~~~~っ」

耳まで赤くなって俯く小夜。

実にからかい甲斐がある。

「お、なんか楽しそうな話じゃねぇか。俺も混ぜろよ」

宜虎も歩調を合わせて芽々、小夜に並ぶ。

「丹下っつったら隣のクラスの空手馬鹿だろ?一学期の期末テストが成績良くなくて補習食らったっていう」

「そうそう。小夜ちゃんは丹下君と一緒にキャンプ行きたかったのにねぇ~?」

芽々に顔を覗き込まれ、小夜は赤面したままコクンと頷く。

「全く」

宜虎がカラカラと笑った。

「小夜はあんな脳味噌まで筋肉のどこがいいのかねぇ?」

言った途端に。

「いだだだだだっ!」

「おー、腕ひしぎ逆十字固めっ」

鮮やかに宜虎に関節技を極める小夜に、芽々が驚嘆の声を上げた。

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