天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
「で、でもさぁ」

気を取り直して芽々が話しかける。

「いつまでも気持ちに気づいてもらえないのも寂しいよね。多分丹下君みたいなタイプは朴念仁だから、小夜ちゃんから言わないとずっと気づいてもらえないよ?」

「…っっ…」

それは小夜も何となく察しているのか、困惑したような表情。

「言っちまやいいじゃねぇか。煮え切らねぇのは俺ぁ好きじゃねぇなぁ」

カランコロンと下駄の音をさせながら宜虎も言う。

『でも…今まで話した事もないし…』

「……」

黙って小夜の表情を読み取る芽々。

『というか龍太郎君は多分私の事すら知らないだろうし』

「……」

『自分から話しかける勇気なんてないし』

「…いらっ…」

『無視されたらショックだし…』

「いらいらっ…」

『それ以前に私が話しかけて迷惑だって思われたら…』

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