天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
名前を呼ばれた女子生徒は、葉也の顔を見て。

「……」

無言のままコクコクと頷く。

おかっぱ黒髪、身長150センチにも満たないちびっ子。

名を城山 小夜(しろやま さよ)という。

大人しい性格で極端な無口、この春入学して以来、彼女の声を聞いた事のある者は皆無。

しかし。

「……」

「え?」

葉也は小夜の顔を見る。

「何だ、他にも誘いたい奴がいるのか?」

「~~~~~っ!」

『べ、べ、別に、隣のクラスの丹下 龍太郎君も一緒に誘って遊びに行きたいなんて思ってないよっ!』

小夜の顔には、誰が見てもそうとハッキリ分かるほどに思っている事が出ていた。

小夜は考えている事が驚くほど顔に出る為、初対面の者でも彼女の思考は簡単に読み取れる。

極端な無口でありながら、彼女が他の友人達とコミュニケーションがとれるのはその為なのだ。

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