天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
「ま、いいんじゃねぇか?」

下駄でしっかりと岩場を踏み締め、宜虎が山道を登る。

「他人の意見に流されねぇ、こうと決めたらこだわるってなぁ俺は嫌いじゃねぇな。結局てめぇの人生だ、てめぇで決断するしかねぇんだ。てめぇの判断なら、失敗したって悔いは残らねぇだろ」

「こら、宜虎君っ。縁起でもない事言わないのっ」

まるで小夜の恋愛が失敗するような口振りの宜虎を、芽々がたしなめ。

「ねぇ?小夜ちゃん」

小夜に向かって言う。

が、小夜は首を横に振った。

宜虎が自分を励ます為に言ってくれているのはわかっている。

自分の意見に肯定的である事が、小夜は嬉しかった。

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