勿忘草

春夏秋冬

　風が揺れ桜が散る季節。
　新しい季節が始まろうとしている。
「ん～。いい天気。」
　俺、椿　瑠依（つばき　るい）16歳。これでも純情な女の子。
　この春から高校デビューするピチピチの1年生。
　俺は浮かれながら家を飛び出した。
「よし。高校デビューだ！！」
「瑠依。おはよ。」
「おう！おはよ凌。」
　この子は俺の唯一の親友、空風　凌（うかぜ　りょう）同じく16歳。
　こんな俺に優しく接してくれる。
　学校へ着くとクラス表が張ってある所に人がいっぱいいる。
「み・・・見えねぇ・・・・。」
「瑠依は１組。私も１組だよ。」
「さすが～。じゃ、行こうぜ。」
俺と凌は教室にむかった。
　教室へ行くと見慣れない人が沢山いる。
「俺の席は・・・・っと、あっ！窓側じゃん。」
「私は、廊下側だから遠いね。」
「え～！嘘だろ。」
　俺はそう言うと凌に抱きついた。
　他から見たら男女が抱き合っているように見えるだろう。
　そして、そこに一人の男の子がやって来た。
「よう！お前らカップルか？」
「「・・・・誰？」」
「ん？俺は長谷川　和（はせがわ　かずき）ってゆーんだ。
　カズって呼んでくれ。」
「・・・それで？」
「凌！！」
　対抗心むき出しで、その・・・カズって言う奴を睨んでる。
「私たちに話すなら土下座して敬ってからにしなさい。」
　でた・・・・。
　凌のＳっぷりには毎度驚かされる。
　だけど、凌がＳになるのは男の前だけなんだがな・・・。
　こんな話してる間にも凌はまだ睨んでる。
　しかもカズは呆然としてるし。
「・・・プッ。」
「な・・・何よ！！」
「お前おもしれーな！　気にいったお前ら今日から俺のダチな！」
「「・・・・ハァ～～～！！」」
　友達ができたのは嬉しいけど・・・・こんな友達のなり方が世の中にあっていいのだろ　うか・・・・。
　今度は俺たちが呆然している中、一人でしゃべってどっか行った。