LOVE☆PIECE
そして私達は一日中ひいひい言いながら、部活を終えたのだった。
「うっわ、みのりんひどい汗だよー」
「自分も人のこと言えないくせに!」
涼しくなってから強烈に匂いを発しだす汗を、琴ちゃんはデオドラントウォーターで必死に打ち消している。
ムシムシと暑くなりつつあるこの季節、少しずつそういうのが目立って来るのである。
「そういえばさ!」
何かを思い出したように、ぱっとひらめく琴ちゃん。
「ん?」
「ちょっと今日寄りたい所あるんだけど、みのりんも来ない?」
「あ、いいよ!私も今日どこか行きたかったし!」
「んじゃ、いつものトコね。」
「OK!何かあったらメールする」
そうして私は琴ちゃんと別れて、違う道を歩き出した。
いつものトコ、それは駅のコンビニ。
駅にとりあえず待ち合わせしとけば、遠くにも行けるし、やりたい事がすぐ思い浮かぶから。 らしい。
部活でキツイ練習をしたというのにも関わらず、私はどうしてこんなにるんるん気分でいられるんだろうか?
そんなどうでもいい事だけを考えながら、家でのたのたと準備をした。
ちょっと遅れちゃったかなぁ。
一言琴ちゃんに何か打っとこ…
その時、見ず知らずの人から<初めまして。僕は君を知ってる>というおかしな文面のメールが来た。
知らない人からメールが来ることはたくさんあったけれど、全てこんな変な内容じゃなかった。
「もう、いきなり何なの…」
いつもなら見ず知らずの人にも平気で返事をする私。
でも今日は状況が状況なので、返事を返すことはやめた。
「早く行かなくちゃっ」
急いで家を出て、目的地の【御滝駅】へ私は足を動かした。