RAIN RAINBOW
──あれ?
ケイトの飛んでいく先を見て言乃のなかに疑問符が浮かんだ。
──さっきあんな所に水溜りなんてあった?
水溜りの真上に落ちたケイトはそのまま水のなかへと吸い込まれた。
「ケイト君!?」
いきなり視界から消えたケイトに、言乃は大声を上げた。
「安心するがよい、死にはせん。うまくやれば戻ってこよう。」
「なっ?」
即座に振り向いて後ろを見ると、そこに居たのは雨童ではなかった。
いでたちはよく似ているが、先ほどまでの雨童とは似ても似つかない女が、腕を組み空中に座っていた。
「貴女は?」