RAIN RAINBOW
「ワシはこの辺りの雨の神さ。」
「?! どういうことですか?」
「混乱するのも分かるがの。あの雨童はワシの力の一部を手に入れたこの近くをさまよってた幽霊さ。」
言乃は雨の神と名乗った女性を見つめた。
「あいつのこと教えてやろうか?」
「雨童ちゃん、ですか?」
雨の神はにっこりと笑った。
「そう。確か、“とらっく”とやらに撥ねられて逝ったようだの。何でも、雨は降らなかったのにその辺りだけ水浸しで、それで“すりっぷ”したといっておった。」
言乃の周りをスィーと飛びながら妖しい笑みを浮かべる雨の神。