ぼくらのハーモニー Ⅱ
「柚希。もう遅い。歩ける?」
小さくうなずく柚希。
「送ってくよ。」
「いいよ。大丈夫。」
「・・・我慢すんなって。」
俺は、柚希を守ってやりたい。
俺は、家まで送ることにした。
少し歩くと柚希の携帯がなった。
「?」
でも、柚希は出なかった。
携帯は手に握られまま。
「柚希。なってる。」
「・・・あ。」
知っているのに知っていなかったのように振舞う。
そして携帯を開いた。
*原 優太 からの着信*
という文字。
「でなよ。」
「・・・。」
「じゃないと俺が出るよ?」
「・・・うん。」
柚希は、俺に携帯を渡した。
俺は携帯を開いた。
そして着信を許可して柚希の耳に当てた。
「えッ!?」
柚希は驚いた。
「いいから。」
俺は、柚希の肩をしっかりつかみ、強制的に電話に出させた。