《完》蜜恋☆LOVERS 〜幼なじみは独裁者!?〜
「できるなら、今からでも
茨城に帰れ。

それができないなら――

もう、本当にオレのことは
忘れろ」



あたしのかすかな望みを
断ち切るように、冷淡な
声が告げた。



陸は呆然と立ち尽くす
あたしの横を、硬い足音を
響かせてすれ違う。



少し遅れて振り返ると、
広い背中は『本当にこれで
最後だ』とでも言ってる
かのように遠く、冷たかった。



「陸っ!!」



とっさに名前を呼んだ。



だけど彼は足を止める
ことも、振り返ることもない。


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