《完》蜜恋☆LOVERS 〜幼なじみは独裁者!?〜
「………泣くんじゃねーよ。

こっちが、限界来ちまう」



風のように囁く声が
聞こえたと思ったら――

次の瞬間、本当にあたしの
周りでフワッと風が動いて。



そうしてその1秒後には、
あたしの体は温かくて
たくましい何かに、包まれてた。



「やっぱお前はバカだ。

帰ってしまえば、これ
以上は傷つかないですむ
のに――…」



「え―――…?

り……り、く………?」



至近距離で聞こえた声と
体に直接伝わる振動に、
あたしはようやく陸に
抱きしめられたんだって
ことに気づく。


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