《完》蜜恋☆LOVERS 〜幼なじみは独裁者!?〜
かすれたあたしの声を
最後に、しばらく沈黙が訪れた。



だけど、やがて陸は片手で
グイッと目元をぬぐうと、
静かにあたしから離れて
こう言う。



「……間違いで構わねーよ。

母さんから聞いてないか?

もう、時間がないんだ」



「え………?」



心当たりがなかった
あたしは、怪訝な顔で
陸を見つめる。



陸は吐き捨てるように、



「中等部ではたいした
ことができなくて、元から
だいぶせかされてた。

だけど去年、じいさん
倒れてな。あの人の寿命も
もうそんなに長くなさそう
なんだよ」


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